
日本では高齢化が加速し、2025年には「団塊の世代」が全員75歳以上になると言われています。こうした中、不動産業界においても高齢者の住まいに関する課題が表面化しています。
その一つが「高齢者の賃貸入居拒否」です。
■ 実際にあった相談事例
◾️事例1:80代女性の単身入居申込に対して
木造アパートにて、80代女性が単身で入居を希望したケース。保証人は娘さんがついており、年金と貯金も十分にある状況でしたが、オーナー側は「もし室内で何かあったら…」という不安から、入居を断ってしまいました。
◾️事例2:70代男性が2階の部屋を希望
築20年の2階建てアパートにて、70代の男性が2階の部屋を希望。しかし、「階段での転倒事故」などを懸念し、管理会社がオーナーに進言した結果、見送られました。結果、その方は保証会社を通しても入居先が見つからず、数ヶ月の間、仮住まいで過ごすことになりました。
■ オーナー側が抱える“見えない不安”
これらは“感情”の問題だけでなく、“物件の資産価値”に直結することから、慎重な対応を求められがちです。
■ 実際に効果のあった対応例
◾️見守りセンサー導入でオーナーも安心(東京都杉並区の事例)
高齢者入居を積極的に受け入れている杉並区の物件では、トイレや玄関に人感センサーを設置し、24時間稼働の見守りシステムを導入。異常があれば管理会社へ即時連絡されるため、オーナーも安心して受け入れができるようになったという報告があります。
◾️介護連携付き住宅の増加(首都圏中心)
住宅型有料老人ホームに準じた設備を持つ「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」が広まりつつあり、看護師やヘルパーとの連携を取ることで、民間アパートでも「高齢者+支援」という形での受け入れが徐々に進んでいます。
■ 不動産会社としてできること
これからの賃貸住宅に求められるのは、「年齢で線引きする住まい」ではなく、
“年齢に合わせた安心の仕組み”が整った住まいです。
高齢者が増えるという社会の現実を、前向きに受け止め、
住む人・貸す人、双方が安心できる仕組みを整えることが、不動産の新たな価値になると私たちは考えています。
Will Project合同会社は、時代の変化に対応しながら、
一人ひとりに寄り添ったご提案をこれからも続けてまいります。